ご挨拶
梅の木がまばらに生える参道を歩き随神門まで来ると、左手正面に桃咲稲荷神社、その手前に厳島神社の小祠が見えます。
随神門の先には長さ5m・最上段の一段下のほかは全く継ぎ目のない五十五段もの長い石段が続きます。
一息に上りきるにはいささかの労を要するその石段に立ち振り返ると、眼下には昨年(平成27(2015)年)日本遺産に登録された尾道の、まさしく箱庭のような美しい街並みが広がります。
石段を上りきると正面に拝殿、その奥に本殿、石段右手に石の臥牛、白太夫社(菅公の教育係であった度会春彦をお祀りした御社)、石段左手に手水舎がございます。
古来より「学問の神様」としてあがめられ、また「天神さん」と親しまれ、多くの参拝の方々、特に受験生の厚い信奉をいただいております当社ですが、
最近では受験生だけでなく縁結びのご利益を求めて参拝される方のお姿を多くお見受けするようになりました。
考えてみると、神社やお寺ほど、小さい子供からお年寄りまでが同じ風景や思い出を心に刻むことのできる場所はないと思うのです。
あらゆるものが目まぐるしく変化し立ち止まらないこの時代において、変わらないことを許され、また託された場所が神社なのだと考えております。
立ち寄ると心が安らぎ、清々しい気持ちでご参拝いただける神社をめざし、また守っていくことが私達神職一家の使命であると信じ、今日も生活のための副業に精を出しております。
「縁結び」というととかく「男女の縁」のイメージが先行しがちですが、私は、私たちの生きるこの世界はすべてあらゆる縁によって結び付けられていると思います。
「志望校合格」も「就職」も志望校や会社との縁結びですものね。私たちは様々なご縁に支えられ助けられ、そして導かれて生きているのだと思います。
これからもご縁を結び続けていきたいものです。御袖天満宮が皆様にとってそのようなご縁を結んでいただける空間であらんことを願ってやみません。
皆様とこの場を通して袖振り合えたことに感謝しつつ、ご挨拶に代えさせていただきます。
御袖天満宮